散居村大屋敷の活用

2011年春、東日本大震災による福島からの一時避難家族への住まいの支援を通して富山県砺波地方・散居村の大屋敷の活用再生を図る基礎的な研究と提案を行いました。

砺波平野には、広大な水田に屋敷林付きの伝統的民家が点在する美しい散居村の風景があります。それぞれの民家は概ね300坪もの敷地と屋敷林、100坪程の述べ床面積をもつ大屋敷であり、核家族が標準となった今では住み継ぐことが難しく、空き家が増加しています。
まちづくりコンサルタントの高橋梢氏と、地域や空き家の所有者に働きかけ一時避難を希望されていたご家族4組を2つの大屋敷で受け入れる支援をしました。

住み継がれてきた大屋敷への愛着を持ちながらも解体も止むなしの状況にあった所有者は、大屋敷が大人数の被災者ご家族で賑やかにシェアされる様子を見て継承の意志を新たにされ、現在も地域活動のために空き家を提供されています。
伝統的大屋敷の実測と広域調査をもとに、今回実現した一時避難による短期シェアの他に、この地域で実施されているミニ企業団地(起業支援の集合型プレファブオフィス賃貸)などの行政事業に大屋敷を活用する職住一体モデルの提案や、富山型デイサービス+学童施設など地域福祉の複合的シェアなど、従来の個人での継承に「共有」の概念を加えた、散居村の持続につながる地域と大屋敷の新しい関係を提案しました。

2013年度から、砺波市ではこのような空き家の利活用に対する条例や助成が始まりました。