岸本集落活動センター拠点整備

高知県香南市・商いのまちとして栄えた岸本地域の歴史を物語る築90余年の古民家を地域の活動拠点として整備しました。通りから様子を伺え、土間を通じて中庭と路地まで抜けられる伝統的な商家建築は、地域のたまり場やイベント会場、お遍路・サイクリストの休憩所に相応しく、実証実験では古井戸や大黒柱、縁側のある懐かしい空間を地域活動の拠点にと望む声が多く聞かれました。
限られた予算で、活用の条件となる耐震性を担保するため杉のフレームを現場で組み立てるj.Pod耐震シェルターを母屋1階の活動空間に挿入し、その他の土間空間や平屋の離れには梁の脱落を防ぐポスト柱の追加、腐食した土壁・柱脚の健全化や梁・足固めなど骨組みの補強を行いました。
古建築の構造特性に則した耐震診断と建物全体の耐震化には多くの時間と費用がかかりますが、今回のように予算や建物の活用空間が限定されるケースにおいてはシェルターの採用が有効でした。
伝統的な骨組みに触ることなく生存・避難空間を確保し、将来的に建物全体の耐震改修が行われる際にはシェルターを容易に撤去・転用が可能な可逆性を持った改修方法です。

2019年より地域の方々とのワークショップや活用実験を経て、お遍路さんの休憩や住民活動のためのキッチン・トイレ・中庭の整備、段差の解消や手すりの設置などのバリアフリー化、防災を兼ねた古井戸の再生など、多様な人々が安心して集える場所に再生しました。